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~事後報告とその記録~31 - 05/03 第四十話「和解」
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「暗殺って…」
辛うじて呟いた鴇の言葉尻が弱々しく消える。史義に至っては動揺のあまり声も出ない様子だ。膝に置かれた手はかすかに震えていた。
唯月は静かに俯いた。
「俺も貴方方と出会う前は荒んだ生活してましたし、悪事もきりがないほどやらかしました。けれど、あの男に会った瞬間に、なんというか…本能的な部分で感じたんです。ああ、こいつはやばいって」
「じゃあどうして招き入れたんだよ…」
呆れたような、絶望したような、そんな喪失感にも似た感情が滲んだ声に、唯月は為す術もなくうなだれた。
「すいません…俺自身、よくわからないんです…」
「わからない…?」
「はい…」
本能ではやばいと感じていた。
けれど、この男に逆らってはいけないと訴えるものが自身の中にはあった。
どうしてそう感じたのか、本当に今でもわからないのだ。
ただこれだけは言える。
あの日自分は、あの男が扉を叩き、その扉を開けて目があったあの瞬間から、あの男の支配下に置かれていたのだ。
いわば、命じられるままに動く人形のように。
絶対的な圧力で以て己との差を見せつけ、服従させたのだ。
それに気づけなかった自身の情けなさもあるが、それ以前に唯月は今なお後悔している。
男に抗えなかった自分に。
救うことのできなかった2つの魂に。
止めることの叶わなかった惨劇に。
だから。
「すんません…本当にすいません…っ」
声が震え、つまる。
亜嵩が顔をあげると、かつて父の傍について支えてくれていた男の目からは大粒の涙が零れ出ていた。
悔しいのだろう。赦せないのだろう。憎いのだろう。哀しいのだろう。
そうしてその苦しみから逃げることを自身に赦さず、シャオは―――唯月はずっと生きてきたのか。
それはなんという孤独だろうか。
およそ想像のつかない苦しみがきっと彼を責め続けたのだろう。そして彼はそれを贖罪だとして甘んじて受けたのだ。
「もう、責めるなよシャオ」
「亜嵩…?」
拭うこともせず涙を流す大の男を慰める方法なんて知らないけれど。
でも。
伝えたいことならもう決まっている。
「シャオはずっと償ってきたんだ。だからもう自分を許してやれよ」
「けれど…」
「シャオは鴇と史義、2つの命を背負って償ってきた。それは鴇も史義ももうわかってるだろう?ただ言葉が見つからないだけだ」
2人を振り返れば、2人共複雑な表情を浮かべていた。
けれどもうわかる。
2人はただ動揺しているだけ。
唯月を恨む気持ちなどもうどこにもないのだ。
ならもう大丈夫。
「お前は2人に許してもらいたかったんだろ?ならもう、お前は十分許されてるよ」
「本当に…?」
顔をあげたシャオの手を取り、強く頷く。
冷たい手だった。
ずっとずっと、こんな冷たい手だったのか。
安堵する日も穏やかに心を休める日もなく、ずっと。
目頭が熱くなる。
こぼれ落ちてしまわないよう頬に力を入れながら、亜嵩は言った。
きっと今、自分は相当情けない顔なのだろう。
視界の端に座る浩正と司が苦笑してるのが映る。
お前ら後で覚えてろよ、心の中でつぶやいたことは誰にも内緒だ。
「俺がお前を一番許してるよ、シャオ」
幼い時から、会うたび優しく抱き上げてくれたその腕を憎めるほど、俺の心は狭くない。
辛うじて呟いた鴇の言葉尻が弱々しく消える。史義に至っては動揺のあまり声も出ない様子だ。膝に置かれた手はかすかに震えていた。
唯月は静かに俯いた。
「俺も貴方方と出会う前は荒んだ生活してましたし、悪事もきりがないほどやらかしました。けれど、あの男に会った瞬間に、なんというか…本能的な部分で感じたんです。ああ、こいつはやばいって」
「じゃあどうして招き入れたんだよ…」
呆れたような、絶望したような、そんな喪失感にも似た感情が滲んだ声に、唯月は為す術もなくうなだれた。
「すいません…俺自身、よくわからないんです…」
「わからない…?」
「はい…」
本能ではやばいと感じていた。
けれど、この男に逆らってはいけないと訴えるものが自身の中にはあった。
どうしてそう感じたのか、本当に今でもわからないのだ。
ただこれだけは言える。
あの日自分は、あの男が扉を叩き、その扉を開けて目があったあの瞬間から、あの男の支配下に置かれていたのだ。
いわば、命じられるままに動く人形のように。
絶対的な圧力で以て己との差を見せつけ、服従させたのだ。
それに気づけなかった自身の情けなさもあるが、それ以前に唯月は今なお後悔している。
男に抗えなかった自分に。
救うことのできなかった2つの魂に。
止めることの叶わなかった惨劇に。
だから。
「すんません…本当にすいません…っ」
声が震え、つまる。
亜嵩が顔をあげると、かつて父の傍について支えてくれていた男の目からは大粒の涙が零れ出ていた。
悔しいのだろう。赦せないのだろう。憎いのだろう。哀しいのだろう。
そうしてその苦しみから逃げることを自身に赦さず、シャオは―――唯月はずっと生きてきたのか。
それはなんという孤独だろうか。
およそ想像のつかない苦しみがきっと彼を責め続けたのだろう。そして彼はそれを贖罪だとして甘んじて受けたのだ。
「もう、責めるなよシャオ」
「亜嵩…?」
拭うこともせず涙を流す大の男を慰める方法なんて知らないけれど。
でも。
伝えたいことならもう決まっている。
「シャオはずっと償ってきたんだ。だからもう自分を許してやれよ」
「けれど…」
「シャオは鴇と史義、2つの命を背負って償ってきた。それは鴇も史義ももうわかってるだろう?ただ言葉が見つからないだけだ」
2人を振り返れば、2人共複雑な表情を浮かべていた。
けれどもうわかる。
2人はただ動揺しているだけ。
唯月を恨む気持ちなどもうどこにもないのだ。
ならもう大丈夫。
「お前は2人に許してもらいたかったんだろ?ならもう、お前は十分許されてるよ」
「本当に…?」
顔をあげたシャオの手を取り、強く頷く。
冷たい手だった。
ずっとずっと、こんな冷たい手だったのか。
安堵する日も穏やかに心を休める日もなく、ずっと。
目頭が熱くなる。
こぼれ落ちてしまわないよう頬に力を入れながら、亜嵩は言った。
きっと今、自分は相当情けない顔なのだろう。
視界の端に座る浩正と司が苦笑してるのが映る。
お前ら後で覚えてろよ、心の中でつぶやいたことは誰にも内緒だ。
「俺がお前を一番許してるよ、シャオ」
幼い時から、会うたび優しく抱き上げてくれたその腕を憎めるほど、俺の心は狭くない。

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